人生に安定を求めていますか?
安定を求めた結果宇宙が滅びかねない話をします。
炭(C)を燃やすと二酸化炭素(CO2)が発生しますが、これは熱によって炭素(C)分子の結合が弱まり、より強い結合力を持つ酸素(O2)分子に引き寄せられるからです。つまり物が燃えるのは分子がより安定しようとする性質の結果だと言われています。
みなさんがご存知の原子核も同様に安定を求めています。原子は陽子と中性子でできていますが、さらにその陽子と中性子はクオークと呼ばれる素粒子で構成されています。具体的には、陽子は1つのダウンクオークと2つのアップクオークがグルーオンと呼ばれる力によって結びついています。
そのクオークですが、6種類が判明しており、そのほとんどは生まれてすぐに消滅してしまいますが、アップクオークとダウンクオークは結びつくことで陽子や中性子となり、安定して存在することができるのです。
では安定するのはこの2つだけかというと、そうでもありません。
ストレンジと呼ばれるクオークは、特殊な環境下においてアップクオークとダウンクオークに結びつくことができ、その状態は陽子や中性子の状態よりもさらに安定しており、その状態を保つことができることからストレンジレッドと呼ばれています。
近年の研究によるとストレンジレッドは恒星の末路である中性子星の奥底で生まれているのではないかと推測されているのですが、莫大な中性子性の重力により閉じ込められています。ですが、もし仮にこのストレンジレッドが宇宙空間に放たれると恐ろしいことが起こります。
物質は安定を求めることは先ほど説明しましたが、このストレンジレッドに触れた物質はみなより良い安定を求めてストレンジレッドに変化してしまいます。その結果、ストレンジレッド物質として残るという説もありますが、おそらく物質としての体裁を保てなくなり、崩壊し消滅してしまうでしょう。そしてその連鎖が止まることはありません。
いかがでしたか?
今も宇宙の片隅でストレンジレッドが放たれており、光の速度で地球に向かっているかもしれません。でも安心してください、そのような兆候は「まだ」観測されていません。
※色々と簡略化して説明しています。